新型コロナウイルス感染症の影響と東京オリンピックの延期で、カヌー・スプリント男子カナディアン・當銘孝仁選手が活動資金難に陥っています。2021年に向けて、夢の大舞台出場と三条市からメダリストを輩出するべく、支援するプロジェクトを立ち上げました。
もし明日、仕事がなくなったら−−
新型コロナウイルス感染症が広がる渦中で、「営業活動ができない」「経営が成り立たない」そんな不安な声が市内の飲食店やホテル、旅館などを中心に囁かれてきました。
危機的な状況を打破すべく支援が増えている一方、世界と戦うアスリート達は、依然として苦しい活動状況を強いられています。
カヌー・スプリント男子カナディアンの當銘孝仁さん(以後、當銘選手)もその一人。三条市スポーツ協会の一員として、県内のジュニア育成にも精力的に取り組む當銘選手への活動資金支援やカヌー・スプリント業界の今を、前回に引き続き同所属の岩瀬晶伍事務局長と本田圭事務局員に伺います。
*石川県小松市で行われているカヌー代表合宿に参加する當銘選手からは、近況のメッセージをいただました。
静かな水面をダイナミックに疾走するカヌー・スプリント
▲カヌースプリントアスリート當銘孝仁選手。
太陽の光が水面を照らし、四季折々の景色が映える川辺で颯爽とボートが走り抜けていく。自然と風、そして己自身と戦い、タイムを競うパドルスポーツ。その中で、各選手が立ち漕ぎで静かな水面を疾走するカヌー・スプリントはアウトドアスポーツでありながら、特殊な技術と陸上選手のような体力が必要なアスリートスポーツです。
そんなカヌースプリントアスリートとして、オリンピック出場を目指す當銘選手。幼少期から、生まれ故郷の沖縄で海と船に親しみ、高校時代はインターハイチャンピオン。大学時代はインカレチャンピオン、とジュニア時代から日本代表の常連でした。
大学卒業後は、三条市スポーツ協会所属(新潟県スポーツ協会より出向)のカヌー育成指導員として、2015年開催の和歌山国体から現在に至るまで新潟県と日本代表選手として、また指導者としても活躍しています。
2016年度のリオデジャネイロオリンピックでは日本代表の最終選考に残り、2018年に出場したジャカルタアジア大会は7位入賞、オリンピック出場をかけた選考会まであとわずか。そんな折に、新型コロナウイルス感染症が世界中に蔓延していき、カヌーの競技にも多大なる影響を及ぼすのです。
大会中止で資金不足 それでもアスリートは諦めない
▲當銘孝仁選手の宣材写真撮影の様子
2020年3月当時、日本代表として数ヶ月間参加した海外遠征と強化合宿からの帰り際に、コロナ禍では東京オリンピックアジア大陸予選や国際出場枠選考会は開催できない。そして、国体(国民体育大会)を中止する、と大会中止の知らせが當銘選手の耳にも続々と届きます。
▲前回、三条市のスポーツの在り方を語ってくれた三条市スポーツ協会の岩瀬事務局長。
「日本代表クラスの海外遠征費や合宿滞在費は約70万円、練習用具であるボートやパドル、現地で搬送するレンタカー手配などで約40万円以上かかります。その活動資金の大半は、国体での評価によって決まる新潟県からの支援がメイン。あとは、個人負担でまかなってきました。
だから、評価基準となる大会がなければ支援されない。メダル獲得をたとえ目指したくても、2021年までの活動費用は既に足りないし、先行きがみえないことで不安が募ってしまう。私も約20年間、パドルスポーツの選手として取り組んできたため、その気持ちがひしひしと伝わってきます」(岩瀬)
さらに、コロナ禍で伝えられてきた『ステイホーム』。直接的に密にならないアウトドアスポーツであっても、外に出てトレーニングができませんでした。
「(コロナ禍では)トレーニングをすること自体、メンタル的に困難です。でも、自分ができることをやり、来る日に備えるしかありません。こんな状況下だからこそ、スポーツで少しでも明るい話題を提供できればと思っています」(當銘)
三条市にはアウトドアスポーツを支える人たちと下地がある
▲ポスター制作は難航。コロナ禍で、どうデザインとして表現するかを悩んできた。
當銘選手は持ち前のポジティブシンキングで、練習ができない環境下であっても『StayHome×カヌーアスリート』としてジュニア選手たちがお家でもできるトレーニングを動画で紹介したりと歩みを止めません。
石川県で行う代表合宿では、2020年9月にハンガリーで開催する世界選手権に向けて本格的なトレーニングを開始する予定ですが、開催自体が不透明で、そもそも参加できるかもわからない……。それでも、密をつくらない工夫やトレーニング前の検温などをして、トレーニングできること自体に感謝していると當銘選手は言います。
「どんな環境になっても、新潟県と三条市から離れることはありません」と常々語る當銘選手。どうして、ここまで三条市に愛着をもつのでしょうか。
▲カヌー競技として出場する種目がたとえ違っていても、ときに一緒に汗をかき、大会の再開を願い、切磋琢磨しながらトレーニングを行う當銘孝仁選手(右)。
「ひとえに、県内に住む人たちの人柄の良さでしょう。アウトドアスポーツ選手同士は仲がいいですし、當銘くんはジュニア育成にも思い入れがあって。新しくジュニア教室を開講するなど、子どもたちの見本でありたいのでしょうね。
あと、県内企業もパドルスポーツを広めてくれている点もそう。去年から、三条市発のアウトドア用品総合ブランド『キャプテンスタッグ』と『さんじょうパドルスポーツ推進委員会』、私たちがタッグとなって、新規事業や當銘選手のオリジナルTシャツの製作で支えてくれる人たちなど、アウトドアスポーツを広めようとする下地があるところも総じて人柄につながっていると思います」(岩瀬)
日本有数のアウトドアスポーツ拠点となりえる地域としての可能性
▲三条市スポーツ協会の本田事務局員(中央)はカヌーワイルドウォーターの選手でもある。
今回は、當銘選手への活動費の支援として個人サポートと法人サポートを用意。
「これまで、県カヌー協会や地元企業、三条市や当協会との連携や対話を重ね、パドルスポーツを三条市のシンボルスポーツにできないかと様々な事を検討してきました」と本田さんは伝えます。
「2009年に開催された新潟国体で下田地域はカヌー競技が開催されましたよね。やはり三条市にある川や湖などの地域資源、そしてアウトドアを楽しめる環境があってこそです。三条市は、これから日本有数のアウトドアスポーツの拠点となりえる可能性が秘めているんです。
そのために、私たちは、スポーツはどうあるべきなのか。
たとえば、三条市の独自性を生み出す源泉として川や湖、それをより際立たせるためにパドルスポーツがあって。街全体の資源を多角的に増やすために、スポーツを通して企業を応援して、また別の側面では子どもたちの心をアウトドアから育む。
自然とスポーツ、そして人たちが共創しあえる関係性を創出するために、シンボルとなる地元アスリートは絶対的に必要です。當銘選手の支援を通して、その可能性を一緒に長期的に実現していきたい」(岩瀬)
家に居ては感じられない水の音で癒されにアウトドアに、地域ならではの人柄の良さを感じるためにスポーツコミュニケーションを。當銘孝仁さんへのご支援で、選手生命を一人でも閉ざさないことはもちろん、街の可能性を創出するためにもご協力のほどよろしくお願いいたします。
【プロジェクト期間】
2020年12月末日まで
・3,000,000円
・支援額 785,205円(12月31日現在)
・達成率 28.6%
個人サポート枠
・ 3,000円コース(A)
サイン入り写真をプレゼントします。
・ 5,000円コース(B)
支援Tシャツ1枚プレゼントします。
法人サポート枠
1. フリーコース(C)
・50,000円以上で支援をお願いします。
・ホームページで企業名、団体名等のバナーを掲載、SNSにてご報告します。
・遠征別資金援助として、企業名、団体名等をスポンサードとしてお知らせします。
参考:遠征費用の目安(宿泊費・食費・施設使用料・交通費・艇運搬費等)
国内合宿→1カ月あたり約30万円、海外合宿→1カ月あたり約40万円
・競技用具購入支援として、道具に支援者名を印字可能です。
参考:競技艇→1人乗り用65万円、2人乗り用85万円、パドル→6万円
・活動全般資金支援を含めて、提案していただいた内容をもとにご検討します。
2. 広告コース(30,000円コース(D)と50,000円コース(E))
・ホームページで企業名、団体名等のバナー掲載し、SNSにてご報告します。
(金額によりバナーサイズが異なります。)
*當銘選手のホームページは今後開設予定
【お問い合わせ先】
一般社団法人三条市スポーツ協会 事務局 担当:岩瀬・本田
Tel 0256-45-1150
執筆・写真:NCL三条 水澤 陽介
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