【終了】【201_三条ホテル旅館組合】ものづくり企業を支えてきた、三条市内のホテル・旅館に支援の手を

2020.10.07 05:26

金属加工を中心としたものづくりの産地として有名な三条市。その技術を直接目にしたい、一緒に仕事がしたいと国内外から多くの出張・観光客がこの地を訪れてきました。

しかし、新型コロナウイルスの影響で外部からのお客様がほとんど出入りできなくなる事態に。このときに大打撃を受けた産業のひとつが、ホテル・旅館業界でした。

2月からの相次ぐ宿泊キャンセル、３〜4月の歓送迎会の宴会自粛、5月のGWも観光客からのキャンセル……。

不要不急の国境・県境を跨いでの移動が難しくなり、大人数での宴会も自粛傾向にある春先、ホテルや旅館として苦境に立たされていました。「でも、そんな今だからこそ出来ることはある」と三条ホテル旅館組合の石川友意さんはいいます。

「まだまだ予断の許さない状況だからこそ、しっかりと準備をしてお客さまをお迎えしなければいけません。そのために三条の他のホテル・旅館も含めてアルコール消毒など出来る対策はすべて行っておきたいと考えています」。

出張客・観光客を広く受け入れてきた三条市のホテルや旅館が目指す、新しい生活様式の中での営業。人の移動ができるようになった今だからこそ、どんな対策をしていきたいのか伺ってきました。

国内外からの出張・観光客を受け入れてきた三条のホテルや旅館

高い技術力が評価され、国内外の展示会に出展するようになったものづくり企業。毎月訪れる出張客に加え、近年はオープンファクトリーを訪れる観光客も多く見かけるようになりました。その宿泊先の受け皿となってきたのが、三条市内のホテルや旅館です。

しかし、世界中で猛威を奮う新型コロナウイルスの影響で人々の移動が制限され、ホテル・旅館ともに厳しい状況に立たされることとなりました。

ホテル・旅館ともに売上のもうひとつの柱だった宴会も自粛傾向。以前は、官公庁や学校、病院、会社など三条市内外の幅広い業種の方が使っていたそうですが、今年はキャンセルが多数。毎年、多くの売上が見込まれる３・4月の歓送迎会シーズンも宴会の予約はほとんどありませんでした。

市内の旅館・ホテルがなくなることは、企業にとっても大きな痛手

出張や観光客が三条に来ることが当たり前だった昨年以前。このまま三条市内のホテル・旅館がなくなってしまうことは、ものづくり企業・観光業に携わる人にとっても大きな痛手です。

例えば、本寺小路のほど近くにある三条ロイヤルホテルでは、取引先の地場の会社が出張客を迎えにきて一緒に飲みに行くことも多かったそう。街の真ん中にあることが、会社間のコミュニケーションの一助になっていたのです。また、下田には何代も続いて来た歴史のある旅館も多く、こうした旅館を失ってしまうことは大きな文化的損失になります。

さらに第２波・第３波がくるといわれている今、宿泊業の先行きは不透明な状況。宴会をするとしても、どこまでお客さんが戻ってくるのかまだ見通しがつかないのが正直なところです。