新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛。面と向かって話すだけで感染するといわれるこのウイルスによって、おしゃべりを楽しみながら食事を楽しむ居酒屋は、厳しい状況に陥っています。
それは、東京から遠く離れた新潟県三条市でも同じこと。緊急事態宣言が解除され、数人での利用は少しずつ増えてきましたが、大人数が集まる宴会の予約はまだ戻ってきていません。
しかし、飲食店にとって売り上げの柱は、宴会です。納涼会が始まる宴会シーズン前には、感染予防対策をしっかりと整えておきたいところ。そこで、三条市にある「餃子日和 わらん」が注目したのが、新しい生活様式に沿ったパーテーションでした。
前の人と区切りをつけるパーテーションはたくさんありますが、居酒屋では隣のお客さまと話すことも多いですよね。そこで、わらんが発案し、サイドの飛沫も防止するパーテーションを製作。
「Withコロナといわれる時代。パーテーション利用が当たり前になることで、みなさんが安心して飲食を楽しめる環境を整えたい」。
そう語る代表の山本昌弘さんは、まだまだマイナスイメージが強いパーテーションを三条市内の飲食店に広めるため、今回のつなぐプロジェクトに参加しました。
三条市内の飲食店が陥っている状況や製作したサイドパーテーション、Withコロナの時代でも生き抜くための施策について伺ってきました。
ジューシーな餃子で地元からの人気が高い「餃子日和 わらん」
餃子を中心に寿司や肉料理も提供する居酒屋「餃子日和 わらん」。三条市にある三条店を本店とし、燕市や新潟市などでも店舗を展開する地元民から人気の高いお店です。
目玉商品は、国産の新鮮な豚肉がたっぷりと入った「わらん餃子」(税込500円)!
ひき肉がたっぷりと入った餃子は、じゅわ〜っと肉汁が溢れ出る一品で、ほとんどの常連さんが頼まれるのだとか。他にも、梅肉やキムチ納豆、丸ごと海老餃子など、定番から変わり種まで14種の餃子を取り揃えています。
餃子だけでなく、地元鮮魚を使ったお寿司や、地元農家さんから直接仕入れた枝豆など、旬にあった料理も自慢。新潟の旬も堪能できるお店です。
相次ぐ宴会の自粛が経営に響く事態に
休日には駐車場がいつも満員になる「わらん」。テーブル席だけでなく、座敷も設け、会社や地域の宴会場として使われていました。
しかし、新型コロナ感染拡大により、客足は遠のき、お店としては厳しい状況に。特に売り上げの柱となっていた宴会は、ほとんど予約がなくなってしまいました。
テイクアウトなどの臨時の策を続けてきましたが、前年と比べるとどうしても厳しい。緊急事態宣言が解除され、数名単位での利用は戻ってきたものの、大人数で集まる宴会となるとお客さま自身がまだ迷っているような印象です。
安心して宴会利用をしていただくために、飛沫防止のサイドパーテーションを製作!
お客様に安心して宴会をしていただくためにはどうしたらよいか。社長自身が思案した結果、思いついたのが、「飛沫防止のサイドパーテーション」です。
わらんが発案した内容を、三条市にある株式会社ドッツアンドラインズが先導を切って、チームを組み、製作。ものづくりのまち・燕三条の叡智を集めて作られた商品です。
前の人とだけでなく、隣の人とも話すことも多い宴会の場。向かい合って座る人との間だけでなく、横に座る人との間にもパーテーションをつけることで、話しながら食事を楽しめるようになりました。
さらにパーテーションをスライドさせることで、座席間の移動が可能に。宴会だけでなく、テーブル席でも活躍できる設計にこだわりました。
また、こんな風にパーテーションの隙間から乾杯をする方法も考案。パーテーションを通して話したとしても、最初の乾杯は今まで通り続けたいものですよね。そんな想いに応えるためパーテーションが交差する部分を開け、乾杯できる設計にしたそうです。
そして、気になるのが、消毒関係。アルコール消毒ができる透明シートは簡単に取り外し&交換可能だそう。弾力があるのでシートにぶつかっても安全です。
パーテーション利用が当たり前の世の中にしたい!
▲パーテーション発案者 株式会社わらん 代表取締役 山本昌弘さん
これからは新型コロナウイルスと共に暮らしていかなければいけない時代。首都圏ではパーテーション設置が当たり前になりつつありますが、三条市内ではまだ浸透しきっていません。その意識を変えていきたいと山本さんは語ります。
「パーテーションをすることは、自分が他の人にうつさないことの意識の表れ。首都圏の人は『無症状でも自分が感染しているかもしれない』と思っているからこそ、パーテーション利用が当たり前になっています。地方でも『飲食店に行けばパーテーションを使うことが当たり前』と意識を変えてもらうことで、三条市内で飲食店を利用する人が増えてくれたらと思っています」。
2〜3ヶ月後には、納涼会など宴会シーズンが始まります。そのときには、宴会をすることが当たり前の世の中になるように。通常1セット3,000円(税別)かかるサイドパーテーションをわらんだけではなく、三条市内の飲食店にパーテーションを無料配布することで、意識を変えていきたいと山本さんは意気込みます。
居酒屋で飲食を楽しむことが当たり前の時代になるように、三条市内全体で一丸となって新しい“当たり前”を作っていければ。市内の飲食店に無料配布するための資金をご支援いただければ幸いです。
【プロジェクト期間】
・2020年6月〜2020年8月31日(本プロジェクトは終了しました。)
1,000,000円
・支援額 10,000円(8月31日終了)
・達成率 1 %
取材・文:長谷川円香
写真:星 隆宏
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